消化器内科
消化器内科では、消化器系に関連するさまざまな症状や疾患に対する診察を行っています。以下のような症状がある場合、ぜひご来院ください。
- 腹痛: 特に持続的または激しい痛みがある場合。
- 消化不良: 食後に不快感や膨満感を感じる。
- 胃もたれ: 食事後に胃が重く感じること。
- 吐き気・嘔吐: 繰り返す場合や食事に影響する場合。
- 下痢・便秘: 変化が続く場合や血便がある場合。
- 体重減少: 理由がわからない体重の減少。
食道の病気
食道の疾患にはいくつかの重要な疾患があります。それぞれの疾患について簡単に説明します。
- 逆流性食道炎
胃酸の逆流によって食道が炎症を起こす疾患です。主な症状は胸やけや呑酸で、治療には薬物療法や生活習慣の改善を行います。 - 食道狭窄
食道が狭くなり飲み込みにくくなる状態です。炎症や腫瘍が原因で、内視鏡で拡張治療を行います。 - 食道通
食道にできる悪性腫瘍です。嚥下困難や体重減少、吐血が症状で、手術や放射線療法を用います。 - バレット食道
バレット食道は、食道下部の細胞が胃の細胞に変化する状態で、主に慢性的な酸逆流が原因です。この状態自体は無症状ですが、食道癌のリスクがありますので、定期的な内視鏡検査が推奨されます。 - 食道異物
食道異物は、食道に異物が詰まる状態で、特に子供や高齢者に多く見られます。異物が詰まると、嚥下困難や痛み、唾液の過剰分泌が起こることがあります。治療には、内視鏡を用いて異物を取り除く方法が一般的です
胃・十二指腸の病気
胃や十二指腸は、食べ物を消化する上で重要な器官ですが、様々な疾患が起こることがあります。代表的なものをいくつかご紹介します。
- 胃炎
胃の粘膜に炎症が起こる疾患です。主な症状は、みぞおちの痛みや discomfort、吐き気、食欲不振などです。原因としては、ピロリ菌感染、ストレス、薬剤、アルコールなどが挙げられます。 - 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の粘膜に傷ができ、深い穴ができてしまう病気です。強い痛みを伴うことが多く、特に空腹時に痛みが強くなる傾向があります。ピロリ菌感染や一部の薬剤が原因となることがあります。 - 胃がん
胃に発生するがんで、初期には自覚症状がほとんどありません。進行すると、胃の痛みや不快感、食欲不振、体重減少などの症状が現れます。ピロリ菌感染や喫煙、塩分の過剰摂取などがリスク要因として知られています。 - 機能性ディスペプシア
検査では異常が見られないにもかかわらず、胃の痛みやもたれ、吐き気などの症状が続く病気です。ストレスや生活習慣の乱れなどが影響していると考えられています。 - アニサキス症
アニサキスに寄生された魚やイカ生で食べると激しい腹痛や嘔吐を引き起こします。予防には十分な加熱か-20℃で24時間以上の冷凍が必要です。寄生した場合は内視鏡による摘出で治療します。
これらの疾患は症状が重なる場合があります。
2週間以上続く消化器症状がある場合や、吐血・下血が見られる場合は、早急に消化器内科を受診してください。
内視鏡検査やピロリ菌検査など、適切な診断方法で早期治療が可能です。
大腸の病気
- 便秘症
腹部の不快感、膨満感、排便時の痛みがあります。原因としては、食生活の不規則、運動不足、水分摂取不足、ストレスなどが挙げられますが腫瘍による狭窄の場合もありますので内視鏡検査による原因特定が必要です。 - 大腸癌
大腸にできる悪性腫瘍で、初期は無症状ですが、進行すると血便や腹痛が生じます。遺伝や食生活が影響し、早期発見が重要です。 - 潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜に炎症が起こる慢性疾患で、血便や下痢が特徴です。原因は不明ですが、免疫系の異常が関与していると考えられています。 - クローン病
消化管全体に炎症を引き起こす病気で、大腸にも影響を及ぼします。腹痛や下痢が主な症状で、薬物療法や手術が治療に用いられます。 - 大腸ポリープ
大腸内壁にできる良性の隆起物で、無症状ですが、放置すると癌化する可能性があります。内視鏡での検査・切除が推奨されます。 - 過敏性腸症候群(IBS)
大腸の機能異常によるもので、腹痛や便秘、下痢が繰り返されます。ストレスや食事が影響し、治療は食事療法や薬物療法が中心です。 - 憩室症
大腸壁が外側に袋状に突出する状態です。高齢者に多く見られ、食物繊維の不足が原因の一つとされています。多くは無症状ですが、炎症を起こすと(憩室炎)強い腹痛や発熱を引き起こします。 - 虚血性大腸炎
虚血性腸炎は、腸への血流が不足することにより発生する炎症です。主な症状には腹痛、下痢(血便を伴うこともあり)、吐き気があります。高齢や動脈硬化がある方で脱水を契機に発症します。軽度の場合は保存的治療が行われ、重症の場合は手術が必要です。
その他の急性疾患
- 感染性腸炎
感染性腸炎は、ウイルスや細菌などによる腸の炎症で、下痢や腹痛、発熱が主な症状です。汚染された食べ物や水が原因で、治療は水分補給が基本です。脱水による症状に対しては点滴による水分補給が有効です。 - 急性胆嚢炎
胆石が原因で胆嚢に炎症が起きる病気です。右上腹部の強い痛みや発熱、吐き気が主な症状です。治療は抗生物質や、場合によっては手術が必要になります。発見が遅れた重度の胆嚢炎は非常に手術の合併症が高くなりますので、早期治療が肝心です。 - 急性虫垂炎
急性虫垂炎は、虫垂が炎症を起こす病気です。主な症状には、右下腹部の痛み、吐き気、食欲不振があります。痛みは通常、最初はおへその周りから始まり、次第に右下腹部に移ります。治療は一般的に手術で虫垂を取り除くことが必要です。早期の診断と治療が重要です。 - 急性膵炎
急性膵炎は、膵臓が急激に炎症を起こす病気です。アルコールの過剰摂取や胆石により引き起こされます。上腹部の激しい痛み、吐き気、嘔吐、発熱などが見られます。診断は血液検査や画像検査によって行われ、治療は入院して点滴や食事制限を行うことが一般的です。重症膵炎は生死にかかわる疾患ですので早期の対応が重要です。
腹部は多くの臓器が存在します。同じ腹痛でも原因は多岐にわたり、時には重篤な疾患が隠れている場合もあります。気になる症状があるときは早めの受診を心がけましょう。