
ドクターズノート
つらい花粉症、今年は「ビタミンD」で対策しませんか?
~くしゃみ・鼻水を「根っこ」から整えるビタミンDの力~
今年も花粉症の季節がやってきました。くしゃみ、鼻水、目のかゆみ…。毎年本当につらいですよね。
しかも、2026年はスギ花粉の飛散量が昨年の2〜3倍になると予測されており、例年以上の対策が必要です。
以前のコラムでビタミンDの様々な健康効果についてお話ししましたが、今回はその続編として、ビタミンDと花粉症の深い関係についてご紹介します(▶︎ 前回のコラムはこちら)。
①まず知っておきたい「花粉症の正体」
花粉症の原因、それは「免疫の暴走」です
花粉症は、本来無害なはずの花粉に対して、免疫システムが「危険な敵だ!」と勘違いして暴走してしまうことで起こります。
大切なのは免疫を弱めることではなく、暴走した免疫を「正しく整える」こと。そして、その重要なカギを握るのが、ビタミンDなのです。
②ビタミンDが「免疫の暴走」を整える仕組み
2025年のノーベル生理学‧ 医学賞を受賞したのが、坂口志文教授。その受賞理由となったのが、「制御性T細胞(Treg)」の発見です。
私たちの体には、免疫の過剰な反応にブレーキをかける「制御性T細胞(Treg)」という頼もしい存在がいます。花粉症の方は、このブレーキ役の働きが弱まっていることが分かっています。
ビタミンDは、この「制御性T細胞」を増やし、働きを活発にすることが明らかになっています。
つまり、ビタミンDは花粉症の根本にある「免疫の暴走」を静かに整えてくれる、いわば“免疫の調停役”と言えるのです

③ビタミンDが花粉症に効く3つの働き
① 免疫バランスを整える | アレルギー反応が起きやすい「Th2優位」という免疫の偏りを、ビタミンDが正常なバランスに整え、炎症を引き起こす物質(IgE抗体など)が過剰に作られるのを抑えます。 |
② 鼻・喉の「バリア機能」を強化する | 鼻や喉の粘膜細胞の結びつきを強くし、花粉などのアレルゲンが体内に侵入するのを防ぎます。「そもそも反応が起きにくい体」を作る、予防的な働きです。 |
③ 「腸の守備力」を高める | 「腸は最大の免疫器官」と言われるほど、腸内環境は重要です。ビタミンDは腸のバリア機能を高め、腸内環境を整えることで、体全体の免疫を正常に保ち、花粉症の症状緩和にも繋がります。 |
ビタミンDは「反応を起こしてから抑える」 のではなく 、「そもそも反応が起きにくい体」を作るという予防的な働きを助けてくれます。
💡 また、複数の研究から「ビタミンD血中濃度が低い人ほど、花粉症の症状が重い傾向がある」ことも示されています。
④あなたのビタミンD、足りていますか?
残念ながら、日本人の9割以上がビタミンD不足と言われています。ご自身の状態をチェックしてみましょう。
- ☐ 毎年、花粉症の症状がひどい
- ☐ 日中のほとんどを屋内で過ごしている
- ☐ 外出時は、日焼け止めをしっかり塗っている
- ☐ 魚(特に青魚)を食べる機会が週に2回以下だ
- ☐ 最近、疲れやすかったり、風邪をひきやすかったりする
2つ以上当てはまる方は、ビタミンDが不足している可能性があります。
⑤ビタミンDを補う3つの方法
① 食事で摂る
鮭、さんま、いわしなどの青魚、きのこ類、卵に多く含まれています。毎日の食事で意識してみましょう。
② 日光を浴びる
花粉の少ない時間帯を選んで、1日15分ほど、手のひらだけでも日光に当ててみましょう。
③ サプリメントを活用する
食事や日光浴で補うのが難しい場合は、サプリメントも有効です。実際に当院でビタミンDサプリメントの内服を初めて症状が軽くなった患者様は多数いらっしゃいます。
ただし、適切な量や種類がありますので、必ず事前に医師にご相談ください。

⑥まとめ:つらい花粉症、根本からの対策を
✅ 花粉症は免疫の暴走が原因であり、免疫を「整える」ことが根本対策
✅ ビタミンDは制御性T細胞の活性化・Th2反応の抑制・粘膜バリアの強化という3つのルートで花粉症に働きかける
✅ 複数の臨床試験で、特にステロイドを使わない治療との組み合わせで症状改善が示されている
✅ 2026年は例年の2〜3倍の大飛散シーズン。今こそビタミンDを意識した生活習慣を
✅ まず血中濃度を測定して、自分の状態を知ることが第一歩
当院では、簡単な血液検査でビタミンD濃度を測定し、お一人おひとりの状態に合わせたアドバイスを行っています。
「自分のビタミンDレベルが気になる」「花粉症がひどくて毎年困っている」という方は、お気軽にご相談ください。一緒に今年の春を快適に乗り切りましょう!
文責:うれしの外科胃腸科クリニック
院長 嬉野浩樹








