メディカルダイエット
メディカルダイエット
肥満は、現代社会において深刻な健康問題の一つとして広く認識されています。体重が過剰であることは、心血管疾患、糖尿病、特定の癌、さらにはメンタルヘルスの問題など、さまざまな健康リスクを引き起こす要因となります。肥満は単なる外見の問題にとどまらず、生活の質や寿命にも大きな影響を及ぼします。
肥満治療は、体重減少を目指すだけでなく、健康を改善し、病気のリスクを減少させることを目的としています。治療方法は、食事療法、運動療法が基本となります。
脂肪を1kg落とすのに必要なカロリーは7000kcalですが、これは約フルマラソン2回の距離のランニングに相当します。身体的問題や、時間的制約のため、運動のみでのダイエットは非常に困難です。
そこで重要になるのが食事によるカロリー制限ですが、意識していてもついつい食べ過ぎたり、間食をしてしまったりと非常に難しいのが現実です。
当院ではご自身で食事療法、運動療を頑張ってみたが困難な方たちへメディカルダイエットを提供しています。
当院にて提供している薬剤は以下のものがあります
GLP-1作動薬
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)作動薬は、GLP-1受容体作動薬を利用した糖尿病治療薬です。この薬剤は、インスリン分泌を促進し血糖上昇を抑制します。加えて胃排泄遅延作用と脳への直接食欲抑制効果も有します。そのため、最近では肥満治療にも注目されています。当院では内服薬(リベルサス)と注射薬(マンジャロ)の両方を採用しています。
主な機能
- インスリン分泌を促進し、血糖値を下げる。
- 食欲を抑制し、満腹感を増加させる。
- 胃の排出を遅らせ、消化を遅くする。
GLP-1ダイエットの特徴
- GLP-1受容体作動薬は、消化管の運動を抑えて少ない食事量で満腹になるため、無理なく自然に食事量を減らすことができます。
- 血糖値の上昇を抑えることにより体脂肪が蓄積しにくくなります。
- 急激な血糖値の上下が抑えられるため食後の血糖値スパイクが抑えられ、食後の眠気や倦怠感が軽減します。
注意点
副作用: 吐き気、下痢、便秘などの消化器系の副作用が報告されています。
SGLT2阻害薬(カナグル)
SGLT2阻害薬は、腎臓におけるグルコースの再吸収を抑制することにより、尿中に糖を排出させる薬剤です。
カナグル(一般名:カナグリフロジン)は、その代表的な薬剤の一つで、主に2型糖尿病の治療に使用されますが、最近では体重管理にも注目されています。
カナグルを使用すると、通常、1日あたり約60~100g(240~400kcal)のグルコースが尿中に排出され、これは運動に換算すると30~50分のジョギングに相当します。
副作用
尿路感染症や脱水症状、低血糖などの副作用が報告されています。
ビグアナイド系糖尿病薬(メトホルミン)
ビグアナイド系薬剤は、主に2型糖尿病の治療に使用される薬剤で、代表的なものにメトホルミンがあります。
これらの薬は、インスリン感受性を改善し、血糖値を下げる効果があります。
- 肝臓でのグルコース生成抑制:肝臓での糖新生を抑制し、血糖値の上昇を防ぎます。
- インスリン感受性の向上:筋肉や脂肪組織におけるインスリンの効果を高め、グルコースの取り込みを促進します。
- 腸内でのグルコース吸収の抑制:腸からのグルコース吸収を減少させることで、血糖値の上昇を抑えます。
デメリット
副作用
消化器系の副作用(下痢、腹痛、吐き気など)が一般的に見られます。
低血糖のリスク
他の糖尿病治療薬と併用する場合、低血糖のリスクがあるため注意が必要です。
まとめ
適切な食事と適度な運動に加え薬剤を使用することにより効果的な減量効果が期待できます。
当院でのメディカルダイエットは初めにしっかりと診察(採血、エコー、体脂肪測定)とカウンセリングを行い、適切な薬剤をご提案します。
また、治療開始後は毎月フォローアップを行い、目標までサポートを行ってきます。
メディカルダイエットで使用する薬剤は全て糖尿病治療薬のため、ダイエット目的での使用は自費診療となります。
メディカルダイエットの料金表(税込)
リベルサス3mg | 28日 | 8,400円 |
---|---|---|
リベルサス7mg | 28日 | 16,000円 |
リベルサス14mg | 28日 | 30,000円 |
マンジャロ2.5mg | 週1回 2週分 | 9,000円 |
マンジャロ5mg | 週1回 2週分 | 15,000円 |
マンジャロ7.5mg | 週1回 2週分 | 24,000円 |
カナグル | 30日 | 10,500円 |
メトホルミン | 30錠 1日1〜3回自己調可 | 3,900円 |
上記の他に初診料3,500円がかかります。(慢性疾患で当院かかりつけの方は初診料不要です)