胃がんは胃の粘膜より発症するがんです。
胃がんは進行すると肝臓や周囲のリンパ節に転移します。
また胃の壁より外に出ると播種と言って腹腔内にがん細胞が散らばるように転移することもあります。
ピロリ菌感染をすると胃がんの発症リスクは高まるため、注意が必要です。
多量の塩分摂取や飲酒、喫煙なども胃がんの要因であるため、控えることが大切です。

胃がんを発症すると、胃の不快感や腹部の張り、食欲不振などの症状が現れます。
胃がんはStage Iの早期で発見、治療できた場合90％以上の方が再発なく治癒できます。
また腫瘍の状態によっては胃カメラによる治療も可能です。
しかしStage IVの進行がんで発見された場合、5年生存率は5％前後と非常に治癒は難しいとされています。
胃がんを早期発見するためには、胃がん検診で胃カメラやバリウム検査などを実施する必要があります。
早期の胃がんでは症状が全く認められない場合も少なくありません。
特にピロリ菌感染のある方は除菌後も定期的な胃カメラによる検査が望まれます。

なお、一生のうちに胃がんと診断されるのは、男性の場合は10人に1人、女性では21人に1人だと言われています。

大腸がんは、結腸や直腸に発生するがんで、正常な粘膜から直接発生するがんと腺腫と呼ばれる良性のポリープががん化するものがあります。
日本人の場合は、S状結腸と直腸にがんができやすいことが特徴です。
大腸がんを発症すると、血便や貧血、お腹の張りなどの症状が現れます。

大腸がんを放置すると病状は進行してしまうため、早期に発見し治療を行うことが重要です。
がんが粘膜下層までに留まっていれば早期がん、粘膜下層より深いところまで到達していれば進行がんと呼ばれます。
大腸がんは、早期であれば内視鏡治療で治療する事も可能な場合もあります。
進行がんでは外科的切除となりますが、近年では体に侵襲の少ない腹腔鏡による手術が多く行われています。
しかし腫瘍が大きく腸閉塞を来してしまったり、発見時に他の臓器に転移がある場合などは人工肛門を作成したり、手術の前に抗がん剤治療が必要になるなど治療が複雑で高度になる事も少なくありません。
いずれにしても大腸カメラによる早期発見が重要です。