外科・肛門外科
一般外科:外傷
(打撲、切り傷、擦り傷、火傷、異物混入)
一般外科では、スポーツや事故などによる外傷(打撲や切り傷、擦り傷など)の外科処置を行っております。
外傷は早めに処置を行うことで、感染を防ぐことが可能です。
そのため、外傷を負った際には、速やかに当院へご受診下さい。早期に処置を行うことで、傷跡を残さずに綺麗に治しやすいこともメリットです。
切創の状態によっては、縫合処置が必要となるケースもあります。
擦り傷は痛みが無ければ放置されてしまう方もいらっしゃいますが、土砂やゴミなどの異物が皮膚の中に残ってしまう場合があります。
異物が混入したまま傷口が治ると異物が目立ちやすくなってしまうため、早期にブラッシングで異物を除去する必要があります。
また、骨折や脱臼などの外傷は整形外科の処置が必要となるため、当院では請け負っておりません。
粉瘤
粉瘤とは良性の腫瘍であり、皮脂や垢が溜まり皮膚の下に袋状の組織がある状態を指します。
粉瘤の原因は明確になってはいませんが、ウイルス感染や外傷による刺激などが挙げられます。
粉瘤は治療せずに放置すれば、徐々に大きくなるものです。
ご自身で粉瘤を除去しようとすると細菌感染を起こし化膿しやすくなり、きれいな傷跡にならない状態となるため避けた方が賢明です。
粉瘤を治療する際には、くり抜き法などで除去することが一般的です。
治療をした当日は出血のリスクがあるため、飲酒や運動、シャワーなどは控えましょう。
再出血した際には、ガーゼで圧迫止血する必要があります。
胆石症・胆のう炎
胆石症は肝臓の下にある胆汁を溜める胆嚢という臓器に結石が出来る疾患です。
基本的に無症状ですが、しばしば胆のう炎を発症します。
胆のう炎を発症すると、腹痛や嘔吐、悪寒、右上腹部やみぞおちの痛みがあることが特徴です。
また食後に腹部の違和感のある方で胃カメラを行っても何も所見が無い場合、胆石症による慢性胆嚢炎であることも非常に多いです。急性胆のう炎は、胆石が胆管に詰まることで発症します。
急性胆嚢炎では右季肋下部を圧迫した際に、深く息を吸おうとしても痛みのために呼吸が止まる「マーフィー徴候」と呼ばれる症状がみられます。
胆のう炎は胆石の他に、不規則な食生活やストレスなどの生活習慣の乱れも原因となるケースもあります。
腹膜炎を発症すれば治療に1ヵ月以上かかることもあるため、早期発見する必要があります。
胆石症や胆のう炎はエコー検査ですぐに診断できます。
胆石は人間ドック受診者の5%前後にみられ、中でも生活習慣病(高脂血症、糖尿病、高血圧)をお持ちの中高年の方に多く発生します。
鼠径ヘルニア
鼠経ヘルニアは脱腸とも呼ばれ、腹膜や腸の一部が筋肉の隙間から皮膚の下に出ている状態を指します。
初期症状としては、腹部に柔らかい膨らみが生じたり、便秘や腹部の突っ張り感があったりするケースもあります。
鼠経ヘルニアを放置すれば、「嵌頓」と呼ばれる危険な状態になり、腸が壊死し腸管を切除しなければならない状態になることもあります。
そのため、鼠経ヘルニアの自覚症状がある場合は、早期に治療を行う必要があります。
虫垂炎
虫垂は大腸の始まりに付属している小指大の臓器で、右下腹部に存在します。
虫垂炎はこれが炎症を起こした状態で一般の方には盲腸とも呼ばれています。
症状は重苦しい痛みや下痢、みぞおちの痛みなどの初期症状で始まり痛みが右下腹部へ移動することが一般的です。
虫垂炎の痛みは腸炎の波のある痛みとは異なり、炎症が腸管外に波及するため歩いた時に腹部に響くような痛みが特徴です(腹膜刺激症状)。
虫垂炎はウイルスや細菌感染が原因と言われていますが、疲労や睡眠不足などが蓄積することによって、免疫力が下がっている状態の人に発症しやすいことが特徴です。
虫垂炎は重症化すると穿孔するリスクがあるため速やかに治療を行う必要があります。
治療は抗生剤でも治療可能な事も多いですが、再発のリスクが30~60%あるため、多くは切除が選択されます。
虫垂炎は腹部所見と、エコー検査で大部分が診断可能です。
肛門外科
治療の特徴
肛門外科では、痔や肛門まわりの症状が気になる方の治療を行うことが特徴です。
肛門外科を受診される大半の患者様は、痔でお悩みがある方達です。
肛門付近の腫瘤がある方や肛門のかゆみや残便感、肛門まわりの痛みなどがある方は、お気軽にご相談ください。
痔のほかにも、肛門周囲皮膚炎や肛門皮垂、肛門ポリープなどの症状がある方も受診して頂けます。
裂肛と呼ばれる切れ痔は女性に多く見られ、慢性化すると傷の内側には肛門ポリープが発生し、外側にはイボが形成されることもあるため、便通を整える治療と保存療法を行う必要があります。
女性の方にも肛門外科を受診して頂けるよう、看護師がヒアリングや検査の補助などを丁寧にフォローしております。
痔の種類:痔核
痔核は「いぼ痔」とも呼ばれ、肛門内に留まっている内痔核と肛門外に出ている外痔核の2種類があります。
痔核は放置すると大きな腫れとなり、動けないくらいの激痛を伴うケースがあります。
重症化する前に、肛門部に違和感を覚えた際には肛門外科を受診するようにしましょう。
痔核は、便秘でいきむことが多い人や排便時間が長くかかる人などが発症しやすいと言われています。
妊娠中や出産時に痔核を発症する方もいらっしゃるため、注意が必要です。
辛い食べ物を好む方は痔になりやすい傾向があるため、予防したいと考える場合は刺激物の摂取は控えるようにしましょう。
痔の種類:痔瘻
痔瘻になると、肛門周辺のかゆみや痛み、膿などの症状が出ることが特徴です。
下痢をしやすい人や糖尿病などで免疫力が低下している人、過度のストレスがある人は、痔瘻を発症しやすい傾向があります。
痔瘻は自然治癒できないため、瘻管切開開放術やシートン法などで手術を行う必要があります。
痔瘻を長期間放置するとがん化する可能性もあるため、早期に治療を行うことが重要です。
また、膿のトンネルができて痔瘻を発症している際には、常に膿が出ることで匂いや汚れなどに悩まされる方も少なくありません。
病状が進行すると痛みも増強するため、放置せずに肛門外科を受診するようにしましょう。
痔の治療について
痔核の場合は、3度以上脱肛している方が手術適応となることが一般的です。
痔核が脱出していない方は、手術をせずに薬物療法を行うケースもあります。
痔瘻の場合はまずは切開を行い、中の膿を出す手術を行います。
女性の場合は、痔の治療をためらわれるケースもありますが、治療を受けて頂きやすいよう看護師がやさしくフォローいたします。