ドクターズノート

体重は正常でも油断禁物。"隠れ肥満"が招く疲れと生活習慣病リスク

こんにちは。うれしの外科胃腸科クリニック院長の嬉野です。

「健康診断で体重もBMIも問題なし。でも、なんだか最近疲れやすいし、体が重い気がする……」

そんなふうに感じている方、実は少なくありません。外来でも「数値は正常なんですけどね」と苦笑いしながら話される患者さんに、よくお会いします。

じつは、体重やBMIが「正常範囲」でも、体の中身——筋肉量・体脂肪率・内臓脂肪レベル——が大きく崩れているケースは珍しくありません。今回は、そんな「見えないリスク」をたった30秒で数値化できる体組成測定(InBody)についてお話しします。


体重だけでは、体の「中身」はわからない

たとえば、同じ身長・体重の2人がいたとします。一方は筋肉質でほとんど脂肪がなく、もう一方は筋肉が少なく脂肪が多い。この2人の「体重」は同じでも、健康リスクはまったく異なります。

特に問題になるのが「隠れ肥満」と呼ばれる状態です。BMIは標準範囲内(18.5〜24.9)なのに、体脂肪率が高く内臓脂肪が蓄積しているケースを指します。見た目では気づきにくいうえ、健康診断の数値にも引っかかりにくいため、本人も医師も見逃しやすいのが特徴です。

体脂肪率が男性で20%以上、女性で30%以上あると、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病リスクが高まることがわかっています。「体重は標準」と安心していると、知らないうちにリスクが積み上がっているかもしれません。

体重は標準だが体脂肪が多く悩む女性のイラスト。内臓脂肪と生活習慣病リスク(糖尿病・高血圧・脂質異常症)を示している。


もう一つの落とし穴——「サルコペニア(筋肉減少症)」

40代を境に、私たちの筋肉量は年々少しずつ減っていきます。特に意識的に筋肉を使わない生活が続くと、その減少は加速します。

筋肉が減ると何が起きるでしょうか。

まず、基礎代謝が落ちます基礎代謝とは、じっとしていても消費されるエネルギーのこと。これが低下すると、食事量を変えていないのに体脂肪だけが増えていく悪循環に陥ります。「昔と同じ食生活なのに太りやすくなった」という声は、まさにこの変化のサインです。

さらに、筋肉量の低下は疲れやすさや体力の衰え、転倒リスクの上昇にもつながります。「最近、階段がきつくなった」「夕方になるとぐったりする」という症状があれば、サルコペニアの始まりを疑う価値があります。

問題なのは、体重だけを見ていると、筋肉の減少にまったく気づけないことです。筋肉が落ちて体脂肪が増えても、体重はほとんど変わらない——そういうことが普通に起きています。


InBodyで「体の中身」を見える化する

当院では、体組成を詳細に分析できる医療用装置「InBody」を導入しています。

測定はとてもシンプルです。裸足で機器に乗り、両手でグリップを握るだけ。時間はわずか約30秒。 痛みも不快感もありません。

測定でわかる主な項目はこちらです。

・筋肉量(腕・脚・体幹ごとに表示)

全身の筋肉量を部位ごとに確認できます。「脚の筋肉は多いのに体幹が弱い」といった、体重計ではわからないアンバランスも把握できます。

・体脂肪率・内臓脂肪レベル

隠れ肥満の発見に直結する数値です。同じ体重でも、脂肪がどのくらいあるかは大きく違います。

・体水分量(細胞内・細胞外)

むくみや脱水の状態を間接的に知ることができます。慢性的なだるさや重さの原因になっていることもあります。

・基礎代謝量

1日に消費する最低限のエネルギー量の目安です。「なぜ痩せにくいのか」の説明になることがあります。

一般的な家庭用の体組成計は上半身か下半身のどちらかを測定して全身を推測しますが、InBodyは全身を部位ごとに直接測定するため、より精度の高いデータが得られます。

体重・BMIが同じ2人の腹部断面比較図。標準体型は筋肉層が厚く内臓脂肪がほぼない。隠れ肥満は外見は同じでも筋肉層が薄く、内臓脂肪が大量に蓄積している。


数値がわかると、行動が変わる

「自分の体脂肪率や筋肉量を具体的な数値で見た瞬間、ようやく本気で食事を見直す気になれた」

実際に測定された患者さんから、こうした感想をよく聞きます。

健康への意識は、「なんとなく気をつけよう」ではなかなか変わりません。でも、自分のリアルな数値を目の前に示されると話は別です。「内臓脂肪レベルがこんなに高いのか」「右脚だけ筋肉量が少ない」と視覚化されることで、生活習慣を変えるモチベーションが生まれます。

また、当院では測定結果をもとに生活習慣病の予防指導や栄養指導、必要に応じてメディカルダイエットのご相談にもつなげています。「数値を出して終わり」ではなく、次の一手を一緒に考えることを大切にしています。

 


こんな方に、ぜひ一度測定をおすすめします

  • 健康診断は「異常なし」でも、なんとなく体の変化を感じている方
  • 「最近太りやすくなった」「疲れが取れにくい」と感じている方
  • ダイエットや筋トレをしているが、効果を数値で確認したい方
  • 40代以降で、加齢による体の変化が気になり始めた方
  • 生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症)が気になる方

 


当院でのご案内

InBody測定は自費診療で300円(税込)です。

予約不要でお気軽に受けていただけます(院内の状況によります)。通常の受診のついでにお声がけいただくだけで結構です。

なお、メディカルダイエット治療を受けられている患者様は、治療内容に含まれますので追加費用はかかりません。

「体重は気にしているけど、中身までは考えたことがなかった」という方こそ、ぜひ一度。たった30秒で、これまで見えていなかった自分の体が見えてきます。

気になることがあれば、お気軽にスタッフまたは医師にお声がけください。

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